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今回は兵庫県は株式会社 小山本家酒造 灘浜福鶴蔵さんが造る日本酒ブランドで、杜氏さん(宮脇米治さん)の名前を頂くシリーズ"米治"の純米大吟醸酒の生にごり酒バージョンであります。 と云う事は、勿論、フルーティーな活性(発泡)の生酒です。 夏のにごり(酒)のなごり?でしょうか(なんちゃって)。 先日久しぶりに神戸に行った折、ついでに灘五郷の御影郷("福寿"、"大黒正宗"、"泉正宗"、"菊正宗"、"白鶴")と魚崎郷("浜福鶴"、"櫻正宗")の計7蔵を飲み歩く聖地巡礼"へべれけ"コースを周り手に入れたもの。 今回も時間が無くて、大急ぎで(しかしちゃっかり)試飲してから買いました。 株式会社 小山本家酒造 灘浜福鶴蔵さんの蔵も勿論色々な歴史があるんです・・・。 かつて隆盛を誇った日本酒業界も次第に経営の難しい時代になり、こちらの蔵も後継者がいないという問題に直面しましたが、その時ご縁があり平成元年、酒造蔵元グル−プとしては国内有数の"世界鷹"ブランドを持つ小山本家酒造の一員になる事によってお酒造りを続ける事が出来る様になったそうです。 そして1995(H07.01.17)あの阪神淡路大震災で(灘五郷の酒蔵全てそうですが)こちら蔵も甚大なる被害に見舞われた時も、「伝統蔵元としての地域貢献」を掲げ"酒を造る、その全工程を見せる、出来上がったお酒を販売する"と云う三拍子そろった"見学酒蔵"として再出発する事が出来たのでした。 以後その繁盛ぶりは皆さんご存知の通りであります。 と云う事でこの純米大吟醸酒の生にごり"米治"、慣れたもので"儀式"はすっ飛ばしてグラスに注ぐと大人し目の吟醸香、しかし元気一杯なこの発泡具合は凄いですね(大粒の泡はスプライト以上かも)。 等と考えながら一口、口に含んでみると凄まじい発泡の元気の良さ、そしてにごりの醪(もろみ)の重厚さ中に、フルーティーな酸味掛かった旨味を見つける事が出来ますが、やっぱりこの手のお酒は発泡の口当たりとにごりの濃厚さがウリでしょう。それだけを楽しんでも充分満足できます。 尚、私は更なる楽しみとして醪(もろみ)を拡販せずに"上澄み"を最初に頂く事もしておりますが、そのお味も又格別、醪(もろみ)のまったり感だけがなくなるものの、ずっしりと来るお米の美味しさが感じられる重厚なスパークリングワインの如き味、吟醸香も適度にあってこれはこれでグー!ああ、何と云う贅沢! 元々は完成度の高いお酒で美味しいに決まっていますから"米治"シリーズを買えばまず間違いはありません。 食中酒にしてもどんな肴の癖も物ともせず包み込んでしまう濃厚で元気な生にごり酒、しかしフルーティーな処もあってと、何かこのお酒が一番宮脇米治杜氏さんらしいお酒の様な気がします。 「また遊びにおいで。」と気軽に声を掛けて下さる米治さんのお言葉に甘えるまでも無く又伺います! 因みに震災時の逸話としてこちらの蔵の2本の古井戸の話があります。 震災で情緒ある木造の酒造蔵は全壊したものの、こちらの蔵の2本の古井戸である"福鶴井戸"は奇跡的に枯れず、ライフラインの途絶えた近隣被災者へ開放し、約1ヵ月間続いた所謂"お水配り"は、文字通り「生命の水(いのちのみず)」と頼りにされたと云う事です。 全く頭が下がります。被災者の方々に成り代わりまして飲兵衛一同心より御礼申し上げます。 株式会社 小山本家酒造 灘浜福鶴蔵さん、その節は有難う御座いました。 又、お酒、一杯買わせて頂きますね。 使用カメラiPhone6s、2017.10.29、aiちゃん撮影。 |
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