"鬼ごのみ"
今回は奈良県桜井市の今西酒造株式会社さんが造った日本酒"鬼ごのみ"、この活性(発泡)おり酒は、一応生酒の清酒(現在の税法上ではAL22%未満の日本酒は濁っていてもこう呼ぶらしい)です。
あ、勿論、季節限定品ね。

2018(H30)の初詣は、飲兵衛の聖地巡礼、お酒の神様を祀っている大神神社さんへ行かせて頂きましたが、そのお膝元にこちらの酒蔵さんがあるのを知ったのは出発前日、殆ど三諸杉さんについて調べる事も出来ずにお邪魔した事になります。
辛うじてメインの商品ラインナップは押さえたつもりでしたが、この活性(発泡)のお酒があるのは現地で知り(試飲させて貰い)aiちゃんと私でどっちが買う?と話し合った末、aiちゃんが購入したものです。

こちらの酒蔵さんも、流石はお酒の神様のお膝元らしく"菩提もと(水もと)仕込み"を使った"菩提もと"(フォントの関係で一部ひらがな表記)と云う商品も造られておられます(これもノーマーク、次回訪れた時の宿題になりました)が、その方面のネタは生原酒しぼりたて"御代菊"の項に任せるとして、こちら三諸杉さんの酒蔵も歴史が古く、その話題には事欠きません。
例えば、こちらは古典芸能の文楽の舞台になった酒蔵さんです。
「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」と云う演目、全五段の四段目(「四段仕込み」ではありません)、杉酒屋の段に出て来る造り酒屋さんがこちら。
大和地方を中心とした数々の伝説を元に藤原鎌足親子の蘇我入鹿討伐を軸にした物語。
現代のファンタジーアクション物に通じるストーリー展開は当時なかったものであり、近松半二を立作者(監督責任者)としたこの大作がヒットした事により、当時潰れかけていた竹本座が息を吹き返したという伝説もある位の名作だそうです。
魔力を使って悪事を働く蘇我入鹿は差し詰め悪の大魔王、それを我等がヒーロー藤原淡海(鎌足の子)が霊力を持った鹿笛(実はこの笛を巡って杉酒屋の娘お三輪が重要なカギを握っていた)で大魔王の魔力を奪いやっつけると云うお話、脚色を工夫すれば(いや、そのままでも)充分現代のアニメのネタに使えそうなお話です。
あ、何か文楽にもはまってしまいそう・・・(何の話だ!)。

と云う事で、これでもかと云う位におりが入っているだけあって、とてつもなく元気なこのお酒。
折角冷蔵庫で寝かせており上澄みを綺麗に分離させておいたのに、開栓しガスを抜いた瞬間、ビン内がお祭り状態になってしまい、いつもの"儀式"もかなり苦労してようやく開栓。
グラスに注ぐと、これまたかなり元気な発泡具合、しかしながらその香りは控え目・・・?
一口飲むと、上品なそれではないもののフルーティーな濃い甘さ(旨味)、いや分厚い甘さ(旨味)と云うべきか。そして日本酒らしい(?)香り。
AL16%のパンチ力もあって強烈にガツンと来る、正に骨太なお酒、なのについついグラスが進んでしまう不思議なお酒。
今西酒造株式会社さんが造ったおり酒"鬼ごのみ"誠に素朴な、そして"凄ウマ"な日本酒でした。

今回訪れたこちらの酒蔵さん(今西酒造株式会社さん)には、流石大神神社のお膝元だけあって「酒の神が鎮まる地 奈良・三輪 ガイド付き聖地巡杯ツアー」なるものがあります。
三輪の神様の化身が"白へび様"なので"酒と卵"をお供えする処から始まり、"酒造りの聖地 大神神社と三輪町"を「酒と三輪」と云うテーマでガイドさんに解説してもらい、"三輪山の御神水"である湧き水の利き水、そして酒蔵での利き酒と、所要時間2〜3時間、仕込み時期を除き随時開催、定員2名〜20名、料金は3000円(お供え物、お土産込)で1週間前迄にご予約下さい。
又、他にも「利き酒体験」のみというのも御座います。こちらは料金500円で前日迄のご予約となっております。
詳しくは"酒の聖地 三輪観光"をご覧下さい。
絶っ対、行く、行く! 行きます!

使用カメラiPhone6s、H30.02.15、aiちゃん撮影。
 
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