"ひやおろし 越後桜"
新潟県強化月間の第4回は新潟県阿賀野市にある越後桜酒造株式会社さんが造る日本酒"越後桜"のひやおろし大吟醸原酒です。
しかしこのお酒、越後桜酒造株式会社さんのホーム・ページの商品一覧にはありませんでしたし、季節限定商品にも載っておりませんでした。
通常、秋を迎えるこの時期、酒蔵さんは春に仕込み熟成させたお酒をいそいそと蔵から出してひやおろしとして販売するのが一般的なはず。
そう、頑張る酒蔵さんはこの季節の一番の売れ筋であるひやおろしを猛烈にプッシュするはず・・・なのですが・・・。
あまりに忙しすぎてホーム・ページを更新する暇もないと云った感じでもなく、ブログにもこの時期ひやおろしの出荷に忙しいなんて記事もなく・・・、これって一体どう云う事なんでしょうねぇ・・・。

そもそもこいつは先日、神戸のスーパー"ライフ"で女房が面白いものがあると持ってきたもの。
そのお値段、税込みで\1078-。大吟醸(720ml)で1000円ちょいって・・・。
既になんか地雷を踏んだ感じではありますが、銘柄と仕様、価格を見て「あ、なんかある・・・。」と即買いした奴でした。
ならば購入したライフのサイトで検索してみるとヒット・・・。はは〜ん、成る程・・・。
こうなると新潟シリーズと云うよりも"怖いもの飲みたさ"シリーズになった来ましたが果てさて・・・。

調べて見ますと、こちらの越後桜酒造株式会社さんは旧会社名が株式会社越の日本桜酒造と云い、近年こちらの大吟醸酒の人気が出て来ましたが、如何せんその酒蔵は明治時代の建造物で生産力が少なく、また新潟地震も経験した為2009年に全面改装し、新たにその名を白鳥蔵とし再出発したとの事だそうです。
そして更に調べると出て来ました。
こちらの越後桜酒造株式会社さんは"世界鷹"と云うブランドのお酒を造る埼玉県の小山本家酒造株式会社のグループ子会社でありました。
因みにこのグループ子会社には他に-
秋田県の株式会社北鹿(ほくしか)("北秋田(きたあきた)")、
新潟県の雪椿(ゆきつばき)酒造株式会社("雪椿")、
京都府の株式会社京姫(きょうひめ)酒造("京姫")、
兵庫県のあの株式会社浜福鶴(はまふくつる)銘醸("浜福鶴")、
表には出ませんが茨城県の賜杯桜(しはいざくら)酒造("賜杯桜")の5つの酒蔵-
詰まり小山本家酒造株式会社は6つの酒蔵を持つグループ会社の親会社だったのです。

まぁそれは置いといて、この大吟醸原酒"ひやおろし 越後桜"一応、精米歩合50%です。一応「山田錦」を使っているらしいです。
グラスを近づけると、何とも可愛らしい吟醸香。
そして恐る恐る口に含んでみると、先程の可愛らしい吟醸香は吹き飛び、辛味が先に来るもののその中でほんの僅かに感じる甘味が口の中に広がります。
アルコール少し高め、と云うより添加アルコールの"ガツン"と来る感じが口の中を刺激し続け、それが収まってからようやく、恐らくは「山田錦」のコクが口の中の余韻となって残ります。
「呑める!こいつは呑めるぞ!」
そうです。お酒の造り自体は流石は新潟"●●っても●"でしっかりとしておりますのでそこは安心して呑めました。
もっともこいつは辛味がきついので上品な大吟醸と云うよりやんちゃな大吟醸と云うイメージでしょうがね。
ならば、こいつは見方を変えて"辛口吟醸酒"のひやおろしと思えばコスト・パフォーマンスは良いので、充分アリでしょう(多少の味の変化はご愛嬌・・・)。
もう少しお米の旨味が感じられたら・・・、いえいえこれは吟醸酒、吟醸酒。辛口の美味しい吟醸酒・・・。

と云う事でこの件は、越後桜酒造株式会社さんが造った大吟醸原酒を、小山本家酒造株式会社が買い上げ(或いはお願いして)、加水等の廉価版にして"越後桜"のひやおろしとして"ライフ"に販売したもの、と云うのが正解の様です。それを珍しがった私が買ったと云う事でした。
成る程越後桜酒造株式会社さんの商品リストに載っていないはずですね。
それにしてもこう云う事はやっぱりあるんですな。
まぁグループ会社内は兎も角、販売者と酒蔵の関係も、結局は"魚心あれば水心"ですか。
どーでも、いいですけど。
あ、この記事はあくまでも私個人の妄想ですからね、妄想!

使用カメラiPhone6s、2017.09.20、aiちゃん撮影。

ps.味の濃い肴B級グルメにも負けていない処なんか、流石はやんちゃな大吟醸と云った感じ。
実はこのコーナーにアップする写真を撮るのを忘れビンを捨ててしまった私は、慌ててライフに2本目を買いに走ったのでした。売ってて良かった・・・。
 
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