![]() |
新潟県強化月間の第3回。 今回は新潟県西蒲原郡弥彦村にある弥彦酒造株式会社さんが造る日本酒"こしのはくせつ"の特別純米酒バージョンです。 通常の大吟醸酒の精米歩合の基準は50%以下、この特別純米酒の精米歩合は50%!詰まり、このお酒は大吟醸クラスの出来と云う事になります。 さらりと言いましたが、これはとてつもない事です。 このお酒は少し前、息子の友人が新潟から遊びに来られた折、近くの蔵に「越淡麗」を使った美味しいお酒があるんですと、持って来て頂いたもの。 どうやら、前回頂いた"新雪物語"が余りに美味しく「越淡麗」「越淡麗」と騒いでいたのを聞かれてしまった様で、お恥ずかしい限り。 誠に恐縮至極に御座います。 こちらの弥彦酒造株式会社さんの特徴は、何といっても総勢5人の小さな酒蔵さんであると云う事。 故に生産量は少なく、更にとことん手作りに拘るが故にあえて宣伝もしないと云う、誠に控えめな酒蔵さんなのであります。 しかしその全員が一級酒造技能士の資格を持つと云う、新潟屈指の酒造りの腕を持つプロフェッショナル集団なのです。 又、こちらの酒蔵さんは新潟を代表する酒造りの流派"泉流"の家元蔵でもあり、「あくまでも清醸を期す」と云う理念の元、その醸造法と精神を学ぶ為にこちらの蔵へ訪れた蔵人さんは数百人に及ぶとか。 そして越後一宮(弥彦神社さん)の御神酒蔵として現在も丹精を込めたお酒造りを粛々と続けられておられるとの事です。 と云う事でこの特別純米酒"こしのはくせつ"、「越淡麗」を使っているので"スッキリ"系のお酒と思い、一口呑んで見ると、以外と濃厚な(「越淡麗」の)味に驚きました(まさか瓶内で熟成してしまったなんて事はないよね)。 重厚とまでは行きませんが、しっかりとしたボディーに、「越淡麗」の甘さがずっしりと来ます。 しかしそこは「越淡麗」、しつこさは無く深みのある甘さとなっているのが凄い!(「越淡麗」って、こんなに甘かったんだ) 「越淡麗」の旨みを、口に含んで味わい、喉を通って身体に収まるまで変化することなくずっと感じ続けていられる、そんな表現がぴったりな、まさに隙のないお酒であります。 こんなお酒ちょっと他にないですね。 このお酒が特別純米酒なんて控えめも良いとこ、と思ったらこの蔵には品評会規格のお酒が他にあるために、あえてこのお酒は大吟醸とはしないとの事。 う〜む、こいつは"羊の皮を被った狼(日本酒界のGT-Rや〜)"やっぱクオリティー高いわ。 調べて見ると「健幸都市にいがた」の一環としてこの酒蔵のある弥彦村では毎年自転車の一大イベント"新潟ヒルクライム"が開催されているそうです。 今年は9月3日でしたがこのイベント、300年の歴史を誇る岩室温泉を拠点に、通称"だいろ坂"と呼ばれる連続ヘアピン・カーブ等、起伏に富んだ弥彦山スカイラインを山頂まで自転車で駆け登るそうです。 しかも総長7.6km、獲得標高差520m、平均勾配5.5%(以上一般コース)のこのイベント、小学生(ちょっと距離が短いですが)から主婦まで普通に一般市民が参加していると云うから驚きです。 私は想像しただけで心臓が苦しくなりました。 こんなスポーツ・イベントは新潟ではあちこちで普通に開催されているらしく、新潟県民はお買い物に行く感覚で気軽に参加し、帰ってきたら美味しい地酒を"クーッ"と行くんでしょうな。 誠、恐るべし、新潟県民。 使用カメラiPhone6s、2017.09.04、aiちゃん撮影。 |
|